三陸海岸写真キラリ・内閣府の英文広報誌に掲載



(平成21年10月6日付き岩手日報新聞朝刊掲載記事切抜)

  内閣府が発行している外国人向けの英文広報誌「ハイライティングジャパン」に、盛岡市西青山3丁目の平野吉孚(よしたか)さん(73)が撮影した田野畑村の北山崎など三陸海岸の写真が掲載された。見開き2ページの掲載に平野さんは「10年間頑張ってきたご褒美かもしれない」と喜びをかみしめる。

 平野さんの写真が載ったのは、同誌8月号の自然をテーマにしたページ。北山崎や大船渡市の碁石海岸の写真が使われている。海外旅行の時や県内を中心に撮影した写真を載せた平野さんのホームページ(HP)を、同誌の編集者が見て掲載を依頼した。

 平野さんが写真を撮り始めたのは、1999年。前立腺がんを患い、自身の経験を病気で苦しんでいる人の役に立てたいと、HPで治療記を公開した。

 その後、趣味で旅行した写真や県内の景色などを載せるようになり、今では約1500枚を掲載している。がん患者やその家族、また県外で暮らす県人から、治療記だけでなく、毎月更新する岩手山の写真などに「癒やされる」という反響も寄せられている。

 平野さんは2003年に黄斑変性症という目の病気を発症。目に見えるものの中心部が黒く、ゆがんで見えるようになり、ピントが合わない写真しか撮れなくなった。しかし訓練を重ね、自分なりの撮り方を習得。今回掲載された写真は07、08年に撮ったものだ。

 広報誌を開き、「こんなに大きく載るとは思わず、ただ驚いている」と平野さん。「まだまだ歩けるうちに県内を歩いて写真を撮りたい。今回の写真を見て、外国の人が興味を持って岩手に来てくれたらうれしい」と意欲は高い。

 平野さんのHPから、同誌のウェブ版を見ることができる。HPアドレスはhttp://www.sourinisshi.jp